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お知らせ

2009.9.8 日刊工業新聞

ものづくりを担う人と技術

内閣総理大臣賞

100ミクロンの血管縫合を可能にし、外科手術に進化をもたらす世界最小針糸を開発

河野淳一氏(河野製作所)ら5人
 顕微鏡を用いて行う高度かつ特殊な外科手術で利用されるナイロン糸付き極小針の開発に成功し、従来不可能であった100マイクロ㍍程度の血管縫合をも可能にした。針の直径30マイクロ㍍、針の長さ0.8㍉㍍、糸の直径12マイクロ㍍という世界最小の針は0.5㍉㍍にも満たない微細組織の外科手術に対応できる。手術患部を小さくすることができる、乳幼児の細く柔らかい血管を縫合できるなど、患者の心身への負担を軽くし、機能回復も速やかな「低侵襲医療」実現に大きく貢献する。
ものづくりの伝統に"ぶれ"なし

必要と信頼の上に積み上げ

日本らしさの継続望む

家電品売り場などで海外の商品を見ると、日本製部品が何個使われているのか、考えてしまう。「ものづくり日本大賞」にかかわるようになってから、日本のものづくりがいかに世界の求めるものかを目の当たりにし、そのことが習慣になった。統計によれば国産電子部品などの国際シェアは、最終製品で約25%、部品や半完成品で30-50%、素材や原材料では70%近くになるという。"intel inside"は有名だが、世界のものづくりに"japan inside"なのだ。いつかその表示を見たいと思うが、この日本のものづくりの強さは、外需という点で諸刃の剣でもある。事実、昨年来の世界的金融危機で日本のものづくりも大きな影響を受け、ようやく底打ち感があるが、まだ先行き不安な状況だ。

(中略)
また河野製作所の外科用手術針は、その新たな手術で使用される30マイクロ㍍の世界最小ナイロン糸付き針であり、ほかではやらない・やれない技術を、作った技術者が実際の手術現場に立ち会い、使い手と一緒になって作り上げたものだ。そこにはもう一つ、「人の(世の中の)役に立つ」という日本らしさがある。

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