平成22年12月27日(火) 信濃毎日新聞 |
日本の実力 |
繊細さ |
超微小手術 0.3ミリのリンパ管をつなぐ |
東大病院の手術室のモニター画面に映るオレンジ色の脂肪の中で、特殊なピンセットでつまんだ銀色の針が踊る。「こんな細い針を扱う技術は、はしで米粒を拾うのと同じなんだわ」。 進化はそこにとどまらない。神経に栄養を供給する細い血管を付けたまま足の感覚神経を採取すると、顔面まひの治療に使えることが分かった。神経束を割いて長くして使う手術、リンパ浮腫の治療など、数多くの独創的な術式を編み出した。 |