日刊工業新聞 2014年(平成26年)12月19日(金曜日) |
新方式の歯列矯正装置 河野製作所 症例別、正確に固定 |
【千葉】河野製作所(千葉県市川市、河野淳一社長、047-372-3281)は、新しい歯列矯正用装置「矯正用アンカレッジシステムi-station」を開発、発売した。10月に厚生労働省の製造販売承認を取得済み。上あご部(口蓋)に固定した金属プレートとワイヤなどで歯に力を加えるもので、症例に適したシステムを構成でき、従来より正確な歯の移動が行える。価格は1症例分の基本構成システムで6万4000円程度。 口蓋に「プラットフォーム」と呼ぶ金属プレートを2本のネジ状のインプラントで固定。これにさまざまな形状のワイヤを接続し、歯に装着したブラケットと組み合わせて、歯や歯列に押す力・引く力を加え、長期間かけて矯正する。 プラットフォームに軟質部分を設け口蓋の形状に沿うよう工夫したほか、インプラント2本の固定で、強く、長期間保持する固定力を確保。正確に力を加え続けられる。症例ごとに適したワイヤ形状を選び、時期に合わせて変更するなどシステム構成を変えながら矯正を行える。これまで外科手術を必要としていた重度に歯並びが悪い症例の矯正実績も臨床報告されている。 河野製作所は微細加工技術を生かし、手術で用いる縫合針など医療器具を製造している。今回、矯正分野に新規参入した。
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