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世界最小の針開発エピソード

世界最小の針
~前人未踏、0.03mmへの挑戦~

  • 私たち河野製作所を代表する製品のひとつが、世界最小、直径30㎛(=0.03mm)の手術用針です。

    開発当時の医療業界では、100㎛以下の針が必要な領域は手術ができないと認識されていました。そのため、100㎛(=0.1mm)以下の針は製造されておらず、製造もできないというのが常識でした。けれども、小児や珍しい病気をはじめとする少数の患者さんが、この領域の手術を必要としているのも確かだったのです。

    こうした状況の中、現場で働く医師からの強い要望を受けて「医工連携」の下での開発がスタートしました。当時の常識を遥かに超える製品の開発には、相当の困難が予想されました。それでも挑戦した理由は、少数の患者さんを切り捨てることなく救う製品を、私たちの手で創りたいと思ったからです。

  • 30㎛(=0.03mm)の針を開発・製造するには、極めて精密な加工を実現する製造装置が必要となります。ところが、当時の私たちは、これほど精密な生産設備を持っていませんでした。前人未踏の分野ですから、当然、すぐに外注をお願いできる製造装置メーカーもありません。そこで私たちは、工具や製造装置、検査機器に至るまで、文字通りすべてをゼロから自社開発を行いました。さらに、素材選びや針と糸の接合方法も一筋縄ではいきません。失敗を繰り返しながら、少しずつ開発を進めました。
    世界最小、直径30㎛(=0.03mm)の手術用針の実現は、これまで手が届かなかった領域の手術を可能にしました。今では0.5mm以下の血管や神経の縫合を行える唯一の手術針として、マイクロサージャリー(微小外科)に従事されている医師の皆さまから、高い評価を受けています。

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