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骨盤臓器脱手術を支える開発エピソード

骨盤臓器脱手術を支える
~国産メーカーができること~

  • 骨盤臓器脱は出産や加齢によって女性なら誰しもが罹りうる病気です。腟から膀胱や子宮、腸などの骨盤内の臓器が出てくる状態のことで、生活の質(QOL)に影響を与えます。
    ORIHIMEは、骨盤臓器脱手術に用いられるPTFE製のメッシュです。骨盤臓器脱に対する手術の方法は複数あり、患者さんの身体の状態や生活習慣などを考慮の上、最も適したものが選択されます。その中の一つにメッシュを用いた経腟メッシュ手術(TVM)があり、ORIHIMEは国内で唯一経腟メッシュ手術での使用が認められたメッシュ製品です。
    ORIHIMEの発売前、日本では海外製のメッシュを使用した経腟メッシュ手術が実施されていました。一方アメリカでは、一部の医師が患者さんごとの状態に対する丁寧な検討を行わないまま経腟メッシュ手術を実施したことによる合併症が問題となっていました。それに伴い、海外のメーカーの中には、経腟メッシュ手術をメッシュの適用外とするメーカーも出てきました。
    ですが日本では医師が技術を磨き、経腟メッシュ手術の安全性や有効性を高める日本ならではの方法が発展していました。そのため国内では骨盤臓器脱に対する手術の一つとして経腟メッシュ手術は必要とされ続けているにもかかわらず、製品が存在しないという状況に陥ってしまう危険性がありました。

  • そんな中、生まれたのが、国産メーカーである当社のORIHIMEです。金沢大学と大阪公立大学で臨床使用をいただき、特に合併症に着目しながらデータを集め、PTFEメッシュによる世界初の経腟手術として論文掲載されることになりました。

    その後、アメリカで経腟メッシュ手術が禁止されたことにより、日本の医療現場で使われていた海外製のメッシュは、経腟メッシュ手術での使用が適用外となってしまいました。その時、ORIHIMEが既に臨床使用を経て、本格的な広がりを見せていたことで、日本国内で経腟メッシュ手術に使えるメッシュが一つもない、という事態を防ぐことができました。その後も多くの先生方や学会からのご協力を得て、市販後調査を行いながら、ORIHIMEは経腟メッシュ手術での安全性や有効性のデータを積み重ねています。

  • 金沢大学でORIHIMEの臨床使用で主導的な立場を担っていただいた成本 一隆 先生(現 聖路加国際病院 泌尿器科/女性泌尿器科)は、経腟メッシュ手術の重要性を次のように語ります。

    「QOLを上げる医療機器を出すということは、通常の医療機器で検討される医療水準や地域的な身体の差異だけではなく、伝統文化や生活スタイル、人生観、宗教まで包括しないとうまくいかなくなってくると思います。その点、日本国内の企業がメッシュといった医療材料を担うことで、日本の患者さんや医療従事者のデータ・感想を日本語でリアルタイムに収集して改善につなげることができ、さらには海外の政治的・経済的事情に影響されず、安定供給ができると思います」

  • ORIHIMEは経腟メッシュ手術にとどまらず、LSC(腹腔鏡下仙骨固定術)、RSC(ロボット手術による仙骨固定術)といった手術でも使用され、骨盤臓器脱手術の実施を支えています。
    医師の声を聞き、製品開発を行い、患者さんがよりよい生活を送ることができるよう、製品の安定的な供給を行う。それが私たち、日本の医療機器メーカーができることです。私たちは医師とともに市販後のエビデンスを積み重ね、医療機器メーカーとしての責任を持ち続けます。

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